電気工事業とは、発電設備、変電設備、送配電設備、建物内の電気設備などを設置する建設業です。代表的な仕事には、住宅や店舗の配線、コンセント・照明設備の設置、受変電設備工事、太陽光発電設備工事、非常用電気設備工事などがあります。

電気工事を行う際は、工事内容に応じた電気工事士等の資格が必要です。また、事業として電気工事を請け負う場合は、原則として電気工事業の登録または届出も必要になります。

さらに、工事1件の請負代金が消費税込み500万円以上になる場合は、原則として建設業法上の「電気工事業」の許可が必要です。つまり、電気工事では「作業者の資格」「電気工事業者としての登録・届出」「建設業許可」をそれぞれ分けて確認しなければなりません。

また、電気工事には感電、アークによるやけど、高所からの墜落、電動工具による負傷などの危険があります。一人親方は元請会社の労災保険で当然に補償されるわけではないため、自分自身で一人親方労災保険へ特別加入しておくことが重要です。

この記事では、電気工事業の仕事内容と工事例、必要資格、電気工事業者の登録、建設業許可、他業種との違い、事故リスク、一人親方労災保険についてわかりやすく解説します。

目次
  1. 電気工事業とは
  2. 電気工事業の主な仕事内容
    1. 電気配線工事
    2. コンセント・スイッチ工事
    3. 照明設備工事
    4. 分電盤・配電盤の設置
    5. 受変電設備工事
    6. 引込線工事
    7. 非常用電気設備工事
    8. 太陽光発電設備工事
    9. EV充電設備工事
  3. 電気工事業に含まれる主な工事例
  4. 電気工事を行うために必要な資格
    1. 第二種電気工事士
    2. 第一種電気工事士
    3. 認定電気工事従事者
    4. 特種電気工事資格者
  5. 電気工事士資格・電気工事業者登録・建設業許可の違い
  6. 電気工事業を始めるには登録や届出が必要
    1. 登録電気工事業者
    2. 通知電気工事業者
    3. みなし登録電気工事業者
    4. みなし通知電気工事業者
  7. 電気工事業に建設業許可は必要?
  8. 電気工事業と他の建設業種との違い
    1. 電気通信工事業との違い
    2. 消防施設工事業との違い
    3. 機械器具設置工事業との違い
    4. 管工事業との違い
    5. 屋根工事業との違い
  9. 電気工事業で独立する一人親方の仕事
  10. 電気工事業で発生しやすい労働災害
    1. 充電部分への接触による感電
    2. 誤送電による感電
    3. 短絡・アークによるやけど
    4. 脚立・足場からの墜落
    5. 電動工具による切れ・巻き込まれ
    6. 天井内・狭い場所での事故
  11. 電気工事業の一人親方は労災保険に入れる?
  12. 現場で労災保険の加入証明書を求められる理由
  13. 電気工事業の一人親方が安全に働くためのポイント
  14. 電気工事業に関するよくある質問
  15. まとめ
      1. 参考資料

電気工事業とは

電気工事業とは、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備などを設置する専門工事業です。

国土交通省は、建設業法上の電気工事を次のように定めています。

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事

建設業許可における業種名は「電気工事業」です。

住宅や店舗の配線・照明工事だけでなく、工場やビルの受変電設備、非常用電源、太陽光発電設備、道路や鉄道の信号設備など、電気を安全に供給・使用するための幅広い工事が含まれます。

電気工事業の主な仕事内容

電気工事業者は、建築物や工作物に必要な電気設備を設計図や施工計画に基づいて設置・接続します。

電気配線工事

分電盤や配電盤から、照明、コンセント、機械設備などへ電気を送るための配線を施工します。

壁や天井の内部、配管、ケーブルラックなどに電線やケーブルを通し、必要な機器へ接続します。

配線経路や電線の太さは、使用する電気容量、配線方法、周囲の温度などを踏まえて選定する必要があります。

電気配線工事

コンセント・スイッチ工事

住宅、店舗、事務所などに、コンセントやスイッチを新設・増設・交換する工事です。

一般家庭のコンセントや壁スイッチの交換であっても、電気工事士の資格が必要となる作業が含まれます。

照明設備工事

室内照明、屋外照明、非常照明、誘導に関係する電源配線などを施工します。

照明器具の取り付けだけでなく、配線、スイッチ、制御機器、分電盤との接続なども行います。

なお、一般の人が容易に取り付け・取り外しできる引掛シーリング式照明器具の交換など、資格を必要としない作業もあります。資格の要否は実際の作業内容によって判断します。

分電盤・配電盤の設置

建物内の電気を各回路へ分ける分電盤や、電気を制御・分配する配電盤を設置します。

ブレーカーや保護装置を適切に配置し、過電流、漏電、短絡などによる事故を防止します。

分電盤・配電盤設置工事

受変電設備工事

高圧で受電した電気を、建物や設備で使用できる電圧へ変換する設備を設置する工事です。

キュービクル式高圧受電設備、変圧器、遮断器、保護継電器などを扱います。住宅の電気工事と比べて設備の電圧や容量が大きいため、工事内容に応じた資格と高度な安全管理が必要です。

引込線工事

電柱などの配電設備から、建物の受電点まで電線を引き込む工事です。

電力会社が施工する範囲と電気工事業者が施工する範囲を確認し、電力量計や分電盤などへ接続します。

引込線工事

非常用電気設備工事

停電や災害が発生した際に使用する非常用発電設備、蓄電池設備、非常用電源などを設置する工事です。

病院、福祉施設、工場、ビル、商業施設などでは、停電時にも必要な設備へ電気を供給できるように施工します。

非常用電気設備工事

太陽光発電設備工事

太陽光パネル、パワーコンディショナー、接続箱、配線などを設置し、発電した電気を使用・売電できるようにする工事です。

太陽光発電設備の電気配線や機器設置は「電気工事業」に該当します。一方、屋根材として機能する屋根一体型太陽光パネルの設置は「屋根工事業」に該当します。

EV充電設備工事

電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電するためのコンセント、普通充電器、急速充電器などを設置する工事です。

専用回路、漏電遮断器、配線、接地などを適切に施工しなければなりません。

EV充電設備工事

電気工事業に含まれる主な工事例

建設業許可上の電気工事業には、次のような工事が含まれます。

  • 発電設備工事
  • 送配電線工事
  • 引込線工事
  • 変電設備工事
  • 構内電気設備工事
  • 非常用電気設備工事
  • 照明設備工事
  • 電車線工事
  • 信号設備工事
  • ネオン装置工事
  • 住宅・店舗・事務所の配線工事
  • コンセント・スイッチの新設や増設
  • 分電盤・配電盤の設置・交換
  • 太陽光発電設備工事
  • 蓄電池設備工事
  • EV充電設備工事
  • 工場機械への電源供給工事

国土交通省が示す正式な例示には、発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事などがあります。
国土交通省「建設業許可の手引き」

電気工事を行うために必要な資格

電気工事では、作業する電気設備の種類に応じて、電気工事士等の資格が必要です。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は、一般用電気工作物等に関する電気工事に従事できる資格です。

主に次のような場所の電気工事が対象となります。

  1. 一般住宅
  2. 小規模な店舗
  3. 小規模な事務所
  4. 一般用電気工作物等に該当する施設

住宅の配線、コンセント、スイッチ、照明設備などを施工する電気工事士にとって、基本となる国家資格です。

第一種電気工事士

第一種電気工事士は、一般用電気工作物等に加えて、最大電力500kW未満の需要設備である自家用電気工作物の電気工事に従事できる資格です。

ビル、工場、大型店舗などの自家用電気設備を取り扱う場合に必要となります。

ただし、自家用電気工作物に関する工事の中には、第一種電気工事士だけでは施工できず、特種電気工事資格者などの資格が必要となる作業があります。

認定電気工事従事者

認定電気工事従事者は、自家用電気工作物のうち、電圧600V以下で使用する設備の一定の簡易電気工事に従事できる資格です。

第二種電気工事士が業務範囲を広げる際などに関係します。

特種電気工事資格者

自家用電気工作物に関する特殊な電気工事のうち、ネオン工事や非常用予備発電装置工事などを行う場合に必要となる資格です。

必要な資格は、工事場所、電圧、受電方式、設備容量、作業内容によって異なります。
経済産業省「電気工事士等の従事範囲」

電気工事士資格・電気工事業者登録・建設業許可の違い

電気工事を事業として行う場合、次の3つを混同しないことが重要です。

制度主な目的対象
電気工事士等の資格電気工事を実際に施工する人の技能と資格を確認する作業者
電気工事業の登録・届出電気工事業者の業務を適正化し、電気保安を確保する事業者
建設業許可一定規模以上の建設工事を適正に請け負い、施工する体制を確認する建設業者

電気工事士の資格を持っているだけで、無条件に電気工事業を営業できるわけではありません。

反対に、会社が建設業許可を持っていても、無資格者が資格を必要とする電気工事を施工することはできません。

電気工事業を始めるには登録や届出が必要

電気工事を業として営む場合は、電気工事業法に基づき、営業所の所在地や取り扱う電気工事の種類などに応じた登録または届出が必要です。

「業として営む」とは、有償・無償を問わず、反復・継続して電気工事を行うことを指します。下請として電気工事を施工する場合も対象になります。

登録電気工事業者

建設業許可を受けていない事業者が、一般用電気工作物等に関する電気工事業を営む場合は、原則として登録電気工事業者の登録が必要です。

営業所ごとに、一定の要件を満たす主任電気工事士を置かなければなりません。

通知電気工事業者

自家用電気工作物に関する電気工事だけを行う事業者は、通知電気工事業者としての手続きが必要です。

みなし登録電気工事業者

建設業法上の許可を受けた建設業者が、一般用電気工作物等に関する電気工事業を始める場合は、「みなし登録電気工事業者」として届出を行います。

建設業許可を受けたからといって、電気工事業法上の手続きが不要になるわけではありません。

みなし通知電気工事業者

建設業許可を受けた建設業者が、自家用電気工作物に関する電気工事だけを行う場合は、「みなし通知電気工事業者」としての手続きが必要です。

電気工事業の登録・届出先は、営業所を設置する区域によって都道府県または経済産業大臣となります。経済産業省「電気工事業法の申請・届出等の手引き」

電気工事業に建設業許可は必要?

電気工事業を営む場合は、原則として「電気工事業」の建設業許可が必要です。

ただし、工事1件の請負代金が消費税込み500万円未満の軽微な建設工事だけを請け負う場合は、建設業許可を受けずに営業できることがあります。

500万円の基準を判断するときは、次の点に注意が必要です。

  • 消費税と地方消費税を含める
  • 注文者が提供する電気設備や材料の市場価格を加算する
  • 注文者が提供する材料の運送費も加算する
  • 同一工事を複数の契約へ分割した場合は合算して判断する
  • 単価契約でも1件の工事全体の金額で判断する

例えば、施工費が400万円でも、注文者が提供する照明設備、分電盤、ケーブルなどの市場価格と運送費を加えた金額が500万円以上になれば、原則として電気工事業の建設業許可が必要です。

なお、500万円未満の軽微な工事で建設業許可が不要となる場合でも、電気工事士の資格や電気工事業法に基づく登録・届出まで不要になるわけではありません。

電気工事業と他の建設業種との違い

電気工事は、電気通信工事、消防施設工事、機械器具設置工事、管工事、屋根工事などと一緒に施工されることがあります。

電気通信工事業との違い

電気を供給するための電力配線や電気設備を設置する工事は「電気工事業」に該当します。

電話、インターネット、LAN、放送設備、監視カメラなど、情報を伝達するための設備を設置する工事は、原則として「電気通信工事業」に該当します。

工事内容原則的な許可業種
コンセント・照明用の電源配線電気工事業
電話・LAN配線電気通信工事業
監視カメラの通信設備電気通信工事業
通信機器へ供給する電源設備電気工事業

一つの設備工事に電源工事と通信工事が含まれる場合は、それぞれの施工内容を確認する必要があります。

消防施設工事業との違い

火災報知設備、非常警報設備、避難設備などの消防施設を設置する工事は、原則として「消防施設工事業」に該当します。

一方、消防設備へ電気を供給するための電源配線などは、電気工事業に該当する場合があります。

消防用設備等の設置・整備には、工事内容に応じて消防設備士の資格も関係します。

機械器具設置工事業との違い

機械器具を組み立てて、工作物や設備として設置する工事は「機械器具設置工事業」に該当することがあります。

設置した機械へ電源を供給するための配線や電気設備工事は「電気工事業」です。

機械の設置と電気配線を一括で請け負う場合は、工事全体の内容と各専門工事の金額から必要な許可を判断します。

管工事業との違い

冷暖房、空調、給排水、衛生設備などを設置する工事は「管工事業」に該当します。

エアコン本体や冷媒配管、ダクトなどの施工は管工事業に関係し、設備へ電気を供給するための専用回路や配線の施工は電気工事業に関係します。

屋根工事業との違い

太陽光発電設備の配線、パワーコンディショナー、接続箱などの設置は「電気工事業」に該当します。

一方、屋根材として機能する屋根一体型太陽光パネルの設置は「屋根工事業」に該当します。

屋根の上に太陽光パネルを設置する工事では、電気設備の施工と屋根の止水処理が含まれる場合があるため、両方の工事内容を確認する必要があります。

電気工事業で独立する一人親方の仕事

電気工事業では、資格と現場経験を身につけた電気工事士が、一人親方として独立するケースがあります。

一人親方が請け負う代表的な仕事は、次のとおりです。

  • 新築住宅の電気配線
  • 店舗・事務所の配線改修
  • コンセント・スイッチの新設や増設
  • 照明器具・照明設備の施工
  • 分電盤の交換
  • 工場機械への電源工事
  • エアコン用専用回路の設置
  • 太陽光発電設備の電気工事
  • 蓄電池設備の設置
  • EV充電設備の設置
  • 建設現場の仮設電気工事
  • 電気設備の点検・修理

一人親方は電気工事士の資格だけでなく、電気工事業者としての登録・届出、必要な測定器具の備え付け、帳簿の作成・保存、標識の掲示などにも対応する必要があります。

また、契約上は一人親方でも、仕事の指示、勤務時間、報酬、機材の負担などから、実質的に労働者と判断される場合があります。一人親方に該当するかどうかは、契約名ではなく働き方の実態によって判断されます。

電気工事業で発生しやすい労働災害

電気工事では、目に見えない電気を扱うため、わずかな確認不足が重大事故につながることがあります。

感電注意

電気工事業の方は
感電事故に要注意

充電部分への接触による感電

通電している電線、端子、機器などへ触れ、電流が身体を流れる事故です。

低い電圧でも、身体の状態や電流が流れた経路によっては、重篤な障害や死亡につながる可能性があります。

作業前に回路を停電させ、検電器によって無電圧を確認することが基本です。

誤送電による感電

作業中に別の作業者がブレーカーや開閉器を操作し、回路へ電気が送られる事故です。

電源を遮断した後は、開閉器の施錠、通電禁止表示、作業者間の連絡などによって誤送電を防ぎます。

短絡・アークによるやけど

工具や金属材料が充電部分へ接触すると、短絡によって強い光や熱、火花が発生することがあります。

顔や手に重いやけどを負ったり、火災につながったりする危険があるため、絶縁用保護具や適切な工具を使用します。

脚立・足場からの墜落

天井内の配線、照明設備、電柱、ケーブルラックなどの施工では、高所作業が発生します。

脚立の天板に乗る、身を乗り出す、不安定な場所へ設置するなどの行動を避け、作業に適した足場や高所作業車を使用する必要があります。

電動工具による切れ・巻き込まれ

電線管や金属材料の切断、穴あけ作業では、切断機、ドリル、グラインダーなどを使用します。

保護カバーの状態や工具の破損を確認し、保護メガネなどを使用することが重要です。

天井内・狭い場所での事故

天井裏、床下、機械室などでは、姿勢が制限され、周囲の危険を確認しにくくなります。

照明、換気、作業経路を確保し、単独での危険作業を避けなければなりません。

電気工事業の一人親方は労災保険に入れる?

労働者を使用せず、建設事業を行うことを常態とする電気工事業の一人親方は、労災保険の特別加入制度を利用できます。

通常、一人親方や個人事業主は労働基準法上の労働者ではないため、元請会社が加入している労災保険によって当然に補償されるわけではありません。

一人親方労災保険へ特別加入すると、承認された業務中や通勤中の災害について、一定の要件のもとで次のような保険給付の対象になります。

  • 治療に関する療養補償給付
  • 仕事を休んだ場合の休業補償給付
  • 障害が残った場合の障害補償給付
  • 死亡した場合の遺族補償給付
  • 傷病が長期化した場合の傷病補償年金
  • 介護が必要になった場合の介護補償給付

加入手続きは、都道府県労働局長の承認を受けた一人親方等の特別加入団体を通じて行います。

現場で労災保険の加入証明書を求められる理由

建設現場では、安全管理や入場者管理のため、一人親方へ労災保険の特別加入証明書の提出を求めることがあります。

一人親方の特別加入は法律上一律に強制されるものではありませんが、元請会社の現場ルールにより、未加入では入場できない場合があります。

電気工事では感電や墜落などの重大事故が発生する可能性があります。現場へ入る直前ではなく、独立して電気工事を請け負う段階で加入を検討することが重要です。

電気工事業の一人親方が安全に働くためのポイント

電気工事を安全に行うためには、次の対策が重要です。

経験豊富な電気工事士でも、思い込みや確認不足によって事故が発生します。停電、検電、誤送電防止という基本手順を省略しないことが大切です。

電気工事業に関するよくある質問

Q
電気工事業とはどのような仕事ですか?
A

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備などを設置する仕事です。住宅の配線やコンセント工事から、ビル・工場の受変電設備、太陽光発電設備まで幅広く含まれます。

Q
電気工事士の資格があれば独立できますか?
A

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備などを設置する仕事です。住宅の配線やコンセント工事から、ビル・工場の受変電設備、太陽光発電設備まで幅広く含まれます。

Q
第二種電気工事士はどのような工事ができますか?
A

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物等に関する電気工事に従事できます。自家用電気工作物の工事については、第一種電気工事士や認定電気工事従事者など、作業内容に応じた資格が必要です。

Q
電気工事業の登録と建設業許可は同じですか?
A

別の制度です。電気工事業の登録・届出は電気工事業法に基づく手続きで、建設業許可は建設業法に基づく手続きです。建設業許可を取得した場合も、電気工事業法上のみなし登録・みなし通知の届出が必要です。

Q
500万円未満の工事なら登録は不要ですか?
A

いいえ。500万円未満という基準は、建設業許可の要否に関する基準です。電気工事業法上の登録・届出や、電気工事士等の資格の要否は別に判断します。

Q
LAN配線は電気工事業に含まれますか?
A

情報を伝達するためのLAN配線工事は、原則として電気通信工事業に該当します。LAN機器へ電気を供給するための電源配線は、電気工事業に該当する場合があります。

Q
太陽光パネルの設置は電気工事業ですか?
A

太陽光発電設備の配線、接続箱、パワーコンディショナーなどの設置は電気工事業に該当します。屋根材として機能する屋根一体型太陽光パネルの設置は屋根工事業に該当します。

Q
電気工事業の一人親方も労災保険へ加入できますか?
A

労働者を使用せず、建設事業を行うことを常態とする一人親方は、一人親方等の特別加入団体を通じて労災保険へ特別加入できます。

Q
元請会社の労災保険で一人親方も補償されますか?
A

一人親方は原則として労働者ではないため、元請会社の労災保険で当然に補償されるわけではありません。一人親方として働く場合は、自分自身で特別加入の手続きを行う必要があります。

まとめ

電気工事業は、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備などを設置する専門工事業です。

住宅の配線、コンセント、照明工事だけでなく、ビルや工場の受変電設備、非常用電気設備、太陽光発電設備、EV充電設備など、幅広い工事が含まれます。

電気工事を事業として行う際は、次の3点を個別に確認することが重要です。

  1. 実際に作業する人が必要な電気工事士等の資格を持っているか
  2. 電気工事業法に基づく登録または届出を行っているか
  3. 500万円以上の工事を請け負う場合に必要な建設業許可を受けているか

また、電気工事には感電、短絡・アーク、高所からの墜落など、重大事故につながる危険があります。一人親方は元請会社の労災保険で当然に補償されるとは限らないため、万一に備えて一人親方労災保険へ特別加入しておくことが重要です。

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参考資料