舗装工事業とは、道路などの地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する建設業の専門工事です。 国土交通省が示す工事例には、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事があります。

舗装工事と聞くと、「道路にアスファルトを敷く工事」をイメージする方が多いでしょう。

しかし、建設業法上の舗装工事はアスファルト舗装だけではありません。

コンクリートによる舗装やブロックを使用する舗装、舗装を支える路盤をつくる工事なども含まれています。

道路をはじめ、工事内容によって駐車場や敷地内の通路など、さまざまな場所で舗装工事が行われます。

舗装工事職人

また、舗装工事の現場では会社に雇用されて働く人だけでなく、独立して一人親方や個人事業主として仕事をする人もいます。

この記事では、舗装工事業とはどのような建設業なのかを中心に、代表的な舗装の種類、仕事内容、施工の流れ、土木工事との関係、建設業許可、一人親方と労災保険について、職人にも企業担当者にもわかりやすく解説します。

舗装工事業とは?

舗装工事業とは、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する工事を行う建設業です。

建設業法では建設工事が29種類に区分されており、「舗装工事」は専門工事の一つに位置付けられています。

国土交通省が示す舗装工事の具体例には、次の4つがあります。

  • アスファルト舗装工事
  • コンクリート舗装工事
  • ブロック舗装工事
  • 路盤築造工事

そのため、「舗装工事=アスファルトを道路に敷くこと」だけではありません。

舗装する場所や目的などに応じて複数の材料・工法が使われる専門工事と理解するとわかりやすいでしょう。

舗装工事業の基本情報

舗装工事業について重要なポイントをまとめると、次のとおりです。

項目内容
建設業法上の工事舗装工事
建設業の業種舗装工事業
分類専門工事
主な目的道路等の地盤面を舗装する
主な材料アスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石など
工事例アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック舗装、路盤築造
主な作業路床・路盤の施工、舗装材料の敷設、締固め、仕上げなど
一人親方舗装工事に従事する一人親方もいる
労災保険一定の要件を満たす建設業の一人親方等は特別加入の対象

舗装工事はどこで行われる?

舗装工事は道路だけで行われるものではありません。

工事内容によって、さまざまな場所が施工対象になります。

たとえば次のような場所です。

  • 道路
  • 駐車場
  • 建物や施設の敷地
  • 通路
  • 歩行者が利用する場所
  • その他、舗装が必要となる地盤面

ただし、施工場所によって必要となる舗装の構造や材料、施工方法は異なります。

自動車などの交通量が多い場所と、人が歩くことを中心とする場所では、舗装に求められる条件も同じとは限りません。

舗装工事では、設計や仕様、現場条件に応じて適切に施工することが重要です。

舗装工事にはどんな種類がある?

舗装工事の代表的な種類は、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事です。

舗装工事種類

それぞれ使用する材料や施工内容が異なります。

アスファルト舗装工事とは?

アスファルト舗装工事とは、アスファルト混合物などを用いて道路等を舗装する工事です。

道路や駐車場などで広く見かける舗装方法です。

現場では舗装材料を所定の厚さになるよう敷きならし、ローラーなどの機械を使用して締め固める作業などが行われます。

舗装面だけを見ると単純にアスファルトを敷いているように見えますが、その下にある路盤などを適切に施工することも重要です。

コンクリート舗装工事とは?

コンクリート舗装工事とは、コンクリートを使用して道路等の地盤面を舗装する工事です。

アスファルト舗装とは使用する主要材料や施工方法が異なります。

施工する場所や設計条件などに応じて採用され、仕様に沿ってコンクリートを施工し、舗装面を形成します。

アスファルトとコンクリートのどちらが適しているかは、用途や設計、施工条件などによって異なるため、一律にどちらが優れているとはいえません。

ブロック舗装工事とは?

ブロック舗装工事とは、舗装用のブロックなどを敷設して地盤面を舗装する工事です。

国土交通省が示す舗装工事の例にも「ブロック舗装工事」が含まれています。

道路だけでなく、歩行空間や施設周辺などでブロックによる舗装を見かけることがあります。

施工では、下地を適切に整えたうえで、設計や仕様に従ってブロックを敷設することが重要です。

路盤築造工事とは?

路盤築造工事とは、舗装を支える路盤をつくる工事で、建設業法上の舗装工事の例に含まれています。

舗装というと完成後に見える表面だけに目が向きがちですが、その下にある部分も重要です。

道路舗装では、地盤の上に路床や路盤などを設け、その上に舗装を施工する構造があります。

路盤には砕石などが用いられ、敷きならしや締固めなどを行います。

つまり、舗装職人の仕事は表面にアスファルトを敷くだけではなく、舗装を支える下部の施工にも関わる仕事です。

舗装工事業の仕事内容は?基本的な施工の流れ

実際の施工工程は、舗装の種類、設計、現場条件などによって異なります。

アスファルト舗装などを例に大まかな流れを整理すると、現場確認→路床・路盤などの施工→舗装材料の敷設→締固め→仕上がり確認となります。

舗装工事施工工程

1.施工場所・設計・仕様を確認する

最初に、施工範囲や設計、現場条件などを確認します。

舗装面の高さや勾配など、施工に必要な条件を把握したうえで作業を進めます。

既存舗装の改修工事であれば、既存部分の状態なども確認します。

2.路床・路盤などを整える

舗装を支える下部を施工します。

必要に応じて土や砕石などを敷きならし、締め固めます。

舗装面が完成すると見えなくなる部分ですが、舗装を適切に施工するうえで重要な工程です。

3.舗装材料を敷設する

設計・仕様に応じた舗装材料を施工します。

アスファルト舗装の場合には、アスファルト混合物を施工箇所へ運び、舗装機械などを使用して敷きならします。

コンクリート舗装やブロック舗装では、それぞれの工法に応じた施工を行います。

4.締固め・仕上げを行う

アスファルト舗装などでは、ローラーなどを使用して舗装材料を締め固めます。

所定の厚さや仕上がりなどを確保するため、施工条件に合わせて作業を進めます。

5.施工状態を確認する

最後に、完成した舗装の状態を確認します。

高さ、勾配、平坦性など、工事で求められる内容について確認し、施工を完了します。

舗装工事業と土木工事業の関係は?

舗装工事は道路などで行われるため、「土木工事と同じなのでは?」と思う方もいるでしょう。

建設業許可では、「土木一式工事」と「舗装工事」は別の建設工事として区分されています。

土木一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事です。

一方、舗装工事は、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する専門工事です。

道路をつくる大規模な工事では、土工や舗装など複数の専門工事が関係することがあります。

そのため、「道路工事だからすべて土木一式工事」というわけではありません。

実際に必要となる建設業許可を判断する場合は、工事名称だけでなく、請け負う具体的な内容を確認することが重要です。

舗装工事業に建設業許可は必要?

舗装工事業は、建設業法で定められた建設業許可29業種の一つです。

建設業を営む場合、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、原則として建設業許可が必要です。

一人親方や個人事業主であっても、「一人親方だから建設業許可は不要」というわけではありません。請け負う工事の内容や請負代金などによって、建設業許可が必要になる場合があります。

なお、建設業許可における「軽微な建設工事」の請負代金基準などは法令改正の影響を受けるため、実際に許可の要否を判断する際は、国土交通省または許可行政庁が公表している最新情報を確認してください。

特に建設業許可の金額基準は法改正の対象となり得るため、古い記事だけを根拠に判断しないでください。

一人親方や個人事業主であっても同様です。

「一人親方だから建設業許可は不要」という制度ではなく、請け負う工事の内容や規模などから判断します。

舗装工事業で働く一人親方とは?

舗装工事の一人親方とは、舗装工事などの建設事業において、労働者を使用しないことを常態として、自ら現場作業を行う個人事業主などを指して使われます。

舗装工事では、舗装会社などに雇用される職人だけでなく、独立して現場に入る人もいます。

仕事内容によっては、

  • 舗装作業
  • 路盤に関する作業
  • 重機・建設機械に関係する作業
  • 材料の運搬や敷きならし
  • 現場での各種補助作業

などに携わることがあります。

ただし、契約書に「一人親方」「請負」「業務委託」と書かれているだけで、法律上の扱いが自動的に決まるわけではありません。

実際の働き方によっては労働者性が問題になる場合があるため、契約名称だけではなく就労実態を確認することが重要です。

舗装工事の一人親方は労災保険に加入できる?

舗装工事に従事する建設業の一人親方等は、一定の要件を満たす場合、労災保険の特別加入制度を利用できます。

労災保険は本来、事業主に雇用される労働者を対象とする制度です。

そのため、労働者ではない一人親方や自営業者は、原則として通常の労災保険の対象にはなりません。

一方、業務の実態や災害の発生状況などから労働者に準じて保護することが適当と認められる一定の人については、特別に労災保険へ加入できる制度があります。

これが労災保険の特別加入制度です。

厚生労働省が案内する一人親方等の特別加入では「建設の事業」が対象事業の一つとされています。

舗装工事に従事する一人親方も、実際の働き方などが加入要件に該当する場合には、建設業の一人親方等として特別加入を検討できます。

舗装工事で注意したい作業中の事故

舗装工事では、舗装機械やローラー、車両などが稼働する現場があります。

また、アスファルト舗装では高温の材料を取り扱う場合があります。

現場や作業内容によっては、たとえば次のような危険に注意が必要です。

  • 建設機械や車両との接触
  • 機械への巻き込まれ・挟まれ
  • 高温材料によるやけど
  • 作業場所での転倒
  • 工具や資材による負傷
  • 重量物を取り扱う際の負傷
  • 道路上で作業する場合の交通に関係する事故
  • 暑い時期の屋外作業による熱中症

特に道路上の施工では、一般車両が近くを通行する現場もあります。

作業員だけでなく、車両や建設機械の動きにも注意し、現場の安全計画・ルールに従うことが重要です。

また、一人親方の場合は自ら現場で作業するため、自分自身で安全衛生を意識する必要があります。

舗装工事業についてよくある質問

Q
舗装工事業とは簡単にいうと何ですか?
A

舗装工事業とは、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する建設業の専門工事です。

国土交通省が示す工事例には、アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック舗装、路盤築造があります。

Q
舗装工事は建設業29業種の一つですか?
A

はい。

舗装工事は建設業法で区分される29種類の建設工事の一つで、建設業許可では「舗装工事業」として扱われます。

Q
舗装工事にはどんな種類がありますか?
A

国土交通省が示す代表例は、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事です。

実際の施工方法は、場所、用途、設計、仕様などによって異なります。

Q
路盤築造工事も舗装工事ですか?
A

はい。

国土交通省が示す建設工事の例では、路盤築造工事は舗装工事に含まれています。

舗装面の下にある路盤をつくることも、舗装工事の重要な仕事です。

Q
アスファルト舗装とコンクリート舗装の違いは?
A

主な違いの一つは使用する舗装材料です。

アスファルト舗装ではアスファルト混合物などを使用し、コンクリート舗装ではコンクリートを使用します。施工方法や構造も異なるため、用途・設計条件などに応じて選択されます。

Q
舗装工事と土木工事は同じですか?
A

建設業許可上では同じではありません。

「土木一式工事」と「舗装工事」は別々の建設工事として区分されています。道路工事では両者を含め複数の専門工事が関係する場合があります。

Q
舗装工事業に建設業許可は必要ですか?
A

軽微な建設工事のみを請け負う場合を除いて、建設業許可が必要です。

金額基準などは法改正される可能性があるため、実際の契約・申請時には国土交通省や許可行政庁が公表する最新基準を確認してください。

Q
舗装工事の一人親方は労災保険に加入できますか?
A

一定の要件を満たす建設業の一人親方等は、労災保険の特別加入制度を利用できます。

舗装工事に従事する一人親方も、実際の働き方などが要件に該当する場合は対象となります。

Q
一人親方なら自動的に労災保険が適用されますか?
A

いいえ。

労働者ではない一人親方等が労災保険による保護を受けるためには、特別加入の対象となることを確認し、所定の手続きを行う必要があります。

まとめ 舗装工事業は道路などの地盤面を舗装する専門工事

舗装工事業とは、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する建設業の専門工事です。

代表的な工事には、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事があります。

舗装工事の仕事は、完成後に見えるアスファルトなどを敷くだけではありません。

施工条件の確認、路床・路盤などの施工、舗装材料の敷設、締固め、仕上がり確認まで、複数の工程によって道路などの舗装をつくります。

また、舗装工事の職人として独立し、一人親方として働く場合には、施工技術だけでなく、建設業許可、安全衛生、労災保険について理解しておくことも重要です。

建設業の一人親方等は、一定の要件を満たす場合、労災保険の特別加入制度を利用できます。

舗装工事業で仕事を続けるためにも、自分が行う工事や働き方を把握し、必要となる許可・保険・安全対策について最新情報を確認しておきましょう。

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