療養(補償)給付
業務災害または、通勤災害による傷病により療養するときに補償される給付です。(労災病院や労災指定医療機関で療養を受けるとき)
業務災害とは以下の事を言います。
労働者の業務上の負傷、疾病、傷害、死亡の事を表します。業務上の災害とは、業務が原因となったという事。もっと簡単に言うなら、「仕事」を行っていることにより、回避できなく(偶発性・突発性)起きてしまった事です。
偶発性とは、思いがけず起きてしまったこと。
突発性とは、突然に起きてしまったこと。
起こしたくて起こしたわけでなく、計画的にわざとでないという事です。
また、業務と傷病との間に一定の因果関係が無くてはいけません。
これも簡単にあらわすなら、「仕事」と「ケガや病気」の発生原因には「関係性」無くてはいけません。
業務遂行時(仕事をしているとき)に、業務と傷病に因果関係が認められる(仕事をしている事によって起きてしまったケガや病気)に対し
〇必要な療養の給付
が受けられる補償給付です。
保険給付の内容
必要な療養の給付とあります。
これは、療養給付金がもらえるという事ではありません。(療養のため通院した場合は、通院費が支給される場合があります)
療養とは、ケガや病気の治療の為に手当をしたり体を休めることです。
仕事をしていて、ケガをしてしまった時の「療養」のための費用を、国が全額負担してくれます。
ケガや病気が治る、または治らないまでも、治療医が治癒(なおる事)したかもう治療しても完治する見込みがないと判断(症状固定という)するまでの間の治療代や手術代、入院費用や薬代などを国が全て補償してくれる制度です。
加入時の設定である「給付基礎日額」には一切関係なく、加入者全員がこの補償の対象者になります。
個室指定や食事代、自由診療や先進医療等は自分が指定して行うものですから、それは自己負担になります。
一部例を挙げてみました。重度の骨折した時の平均費用は以下の通りです。
2019年4月から6月の症例
大腿骨頸部骨折の平均入院費用
・2,131,499円
1日の平均単価
・62,119円
症例数
・325人
※公益財団法人全日本病院協会(医療費)参考
大腿骨頸部とは、足の付け根です。ここを骨折したら大変です。
万が一ですが、一人親方の労災保険に加入していないと、全額自己負担となります。
療養(補償)給付のまとめ
業務、または通勤が原因となった傷病の療養を受けるときに給付をしてくれます。ということは、それ以外は対象外という事です。
それ以外とは、通常の生活で起こった傷病の療養は「国民健康保険」もしくは「健康保険組合」で給付を受けてくださいという事。
国は、その補償対象をはっきり分けているという事です。
業務や通勤時は、労災保険
通常生活は、健康保険
また、労災保険は100%補償給付をしてくれます。(社会保険対象外治療は除く)
健康保険は70%補償。(30%は自己負担)
仕事をしているときの補償は手厚いですよという事ですね。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。