休業(補償)給付
業務災害、または通勤災害による傷病の治療のため労働することができず、賃金を受け取れないときに支給されます。
わかりやすく言えば、労働のために起こってしまった「ケガや病気」を治療するために労働ができない状態で、労働の対価である「賃金」を受け取れない状態という事です。
ここで注意していただきたいのは、「労働することができない状態」を判断するのは、加入団体でもなく、労働基準監督署や労働局でもありません。一人親方が労働できない状態を判断するのはあくまでも「医者」です。自分は仕事ができない状態なんだと主張しても、治療医ができる状態であると判断した場合は「仕事ができる状態」となってしまいます。
では、労働基準監督署や労働局は何をするのでしょう?
それは、医者から上がってきた書類から基づき、調査し判定を下します。
つまり、医者が「労働ができない状態」としても、労働基準監督署、労働局が「労働できる状態じゃないですか」となると、医者の判断を取り消すことが可能です。
また、一人親方の労働性としてあっているかをも判断します。一人親方の労働性に関しては、また別の章でご説明します。
これは、厳しい?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、あくまでも「不正」を取り締まる「国の姿勢」と考えていただければ理解できるかと思います。一人親方の皆様が納めている保険料は、税金ですから、不正に税金を使われてはいけないという事です。
さて
話を戻しますが、この給付制度は「労働ができない状態のときには、国が賃金を補償し給付します」という制度です。
保険給付の内容
休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額を支給します。
給付基礎日額とは、加入の際に一人親方が自分で決めるものです。当部会の労災加入料金はこちらをご確認ください。
https://nisijp631.com/list-fee/
一例でご紹介します。
給付基礎日額6,000円型での加入の場合
6,000円×60%=3,600円/日
30日休業
30日−3日=27日(休業期間)
3,600円×27日=97,200円支給
このように計算していきます。
休業特別支給金の内容
休業日4日目から、休業1日につき給付基礎日額の20%相当額を支給します。
こちらも、労働ができない状態であると認められた場合に給付されます。
一例でご紹介します。
給付基礎日額6,000円型での加入の場合
6,000円×20%=1,200円/日
30日休業
30日−3日=27日(休業期間)
1,200円×27日=32,400円支給
このように計算していきます。
休業(補償)給付のまとめ
休業(補償)給付に関しては、通常の保険給付と休業特別支給金とで支給されるのが普通です。ですから、上記の金額を参考にして計算すると
97,200円+32,400円=129,600円(27日分)
となります。
一人親方は一切補償がありません。雇用されて給与として労働対価を毎月一定額いただいている方は、労災保険は会社が払ってくれています。一人親方は自分で自分の身を守るしかありません。
しかしながら、労働ができない状態はかなりハードルが高いとお考え下さい。「労働ができない状態とは、ベットや布団から一人では起き上がれない状態です。例えば、自宅療養となった場合でも、台所でお皿を洗うのを手伝うのも労働ですからね」ということです。
また、日額給付の金額を上げると当たり前ですが、お支払いも高くなります。一定以上の日額給付加入申請には「所得を証明するも」の書類も必要になってきます。
自分にあった日額給付を検討していきましょう。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。