兵庫県 関西労災病院(関西ろうさい病院)
兵庫県には、関西労災病院(表記は、関西ろうさい病院)があります。
概略
正式名称:独立行政法人労働者健康安全機構 関西労災病院
所在地:兵庫県尼崎市稲葉荘3丁目1番69号
連絡先:06-6416-1221
診療科目:内科、脳神経内科、循環器内科、不整脈科、消化器内科、腫瘍内科、精神科、小児科、外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科、スポーツ整形外科、形成外科、脳神経外科・脳神経血管内治療科、心臓血管外科、呼吸器外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、遺伝子診療科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、歯科・口腔外科、放射線科、放射線診断科、IVR科、放射線治療科、核医学診断科、リハビリテーション科、麻酔科、救命救急科、集中治療科、救急部、重症治療部、検査科、病理診断科、健康診断部
診療時間:外来診療受付時間午前8:15~午前11:30(土・日・祝日休診)
診療科により受付終了時間が異なります。
紹介状がない場合は、別途7,700円(税込)必要
ホームページ:https://www.kansaih.johas.go.jp/
業務災害と労災事故報告
業務災害とは、労災保険の補償給付の対象となる仕事を起因としたケガや病気のことを表します。
一人親方が労災保険を使用する場合には、労災事故の報告が必要です。
以下の項目は必須事項です。
- 元請け会社から仕事を受注していること
- 工事現場名がついていること
- 現場住所が明確であること
- 事故現認者(事故を証明する者)がいること
- 明確な事故発生日と時刻があること
- 原因が休憩時間を除く仕事を起因としていること
- 病院で診療や治療を受けたこと
労災保険を使用する場合は、仕事や業務、仕事現場への通勤によって引き起こされたということが大前提になります。
それを「業務起因性」と言います。
業務起因性があると、労働基準監督署が判断したときに労災保険が使用され、労災保険加入者(被保険者という)は、労災補償給付を受けることができます。
業務起因性がないと労働基準監督署が判断した場合は国民健康保険が適応され、30%負担(一般的に)となります。
労災病院と労災指定病院の違いを徹底解説!
労災保険で治療を受ける場合、「労災病院と労災指定病院」または「一般的な病院」と、どちらを受診すれば良いか判断は難しいと思います。
違いとして、運営母体や専門性、さらには治療費の支払い方法などがあります。
ここでの記事では、労災病院と労災指定病院の違い、一般的な病院など、分かりやすく解説します。さらに、それぞれの特徴を踏まえた病院選びのポイントをご紹介します。
労災病院とは
独立行政法人 労働者健康安全機構が運営する病院です。
全国に37ヶ所あり、労働災害や職業病の治療に特化しています。
労災病院の特徴
労災病院は、国立病院と同等な規模の公的な医療機関に近い機能を持つ病院です。
一般病院との大きな違いは、業務災害や労災疾病、メンタルヘルス対策の研究にも力を入れており、一般病院が専門としない分野も担当しています。
一般病院では、業務災害診療の場合には、患者が100%診療費を前払いし、労災給付のための書類を診療窓口に提出し、立て替えで支払った診療費を戻してくれます。
労災病院は、一般診療を除く業務災害診療に関しては、診療費を窓口で支払う必要がありません。
- 労働災害や職業病の治療に豊富な経験と知識を持つ医師やスタッフが多数在籍
- 労災保険に関する手続きを病院内で全て行うことができる
- 最新の医療設備を備えている
- 全国に37ヶ所あり、多くの地域で受診が可能
労災病院や労災指定病院なら、治療や診療の立て替え払いをする必要がありません。
仕事をしていてケガをしたら、診療費を先に払わなくて良いということですか?
その通りです。労災補償給付のための書類があれば、初心から負担は0円です。
労災補償給付のための書類ってどこが作成してくれますか?
西日本労災から労災保険ご加入の一人親方なら、西日本労災で無料で作成します。
普通は診療費用など先払いなのに、労災病院はなぜ負担がないの?
労災病院は、労災診療後の診療費請求は労災保険から直接支払われるためです。
最初に診療費負担がないのは、経済的な負担が少なくかなり楽ですね。
メリット
社会保険の適応内であれば業務災害の診察や治療など、患者に対しての費用の請求が無いことが最大のメリットでしょう。
国民健康保険と同じく、自己負担となる社会保険適応外の代表例として、入院時の食事代や差額ベット代、交通費などが挙げられます。
- 労災保険に関する専門知識が豊富な医師やスタッフがいるので安心して治療に専念できる
- 手続きが簡便で治療費の立て替えが不要
- 最新の医療設備で質の高い治療を受けられる
デメリット
業務災害時には緊急性が高いものが多く、工事現場や自宅近くの病院に行くことが通常です。
労災病院が近くにない時には緊急性を優先し、まずは近くの病院へすぐに向かいましょう。
- 現場や自宅から遠い場合がある
- 専門性の高い治療を受けられるのは一部の疾患に限られる場合がある
労災指定病院とは
都道府県労働局長が指定した医療機関です。
全国に約40,000カ所以上あり、民間病院がほとんどです。
労災指定病院の特徴
労災指定病院も労災病院と同じく、業務災害時の診療代の患者立て替え負担がありません。
診察にかかる費用は、病院側から労災保険へ直接請求してくれます。
- 労災保険の取り扱いが可能
- 労災保険に関する手続きの一部を病院内で代行
- 労働災害や職業病以外の診療も行っている
メリット
労災指定病院は労災病院と違い、全国に多数点在しているため、近隣にある可能性が高いことが挙げられます。
- 工事現場や自宅近くで受診できる可能性が高い
- 労働災害や職業病以外の診療もまとめて行える
デメリット
労災病院は、業務災害に特化しているとも言えますが、労災指定病院は必ずしも特化しているとは限りません。労災補償給付の手続きが煩雑になる可能性もあります。
- 労災保険に関する専門知識が豊富な医師やスタッフが必ずしもいるとは限らない
- 全ての手続きを病院内で済ませられない場合がある
労災病院と労災指定病院の比較
労災病院と労災指定病院の違いをまとめて見てみましょう。
項目 | 労災病院 | 労災指定病院 |
---|---|---|
運営母体 | 独立行政法人 労働者健康安全機構 | 民間病院 |
専門性 | 労働災害・職業病 | 労働災害・職業病、その他の診療 |
手続き | 全て病院内で可能 | 一部代行 |
医療設備 | 最新設備 | 病院によって異なる |
全国展開 | 37ヶ所 | 約40,000カ所以上 |
上の表のように、まず運営母体が違います。
労災病院は、独立行政法人の労働者健康安全機構が運営母体ですが、労災指定病院は民間の病院であることがわかります。
専門性では、労災病院は基本的に労働災害(業務災害。労災事故による疾病)や職業を起因とする疾病ですが、労災指定病院はそのほかの診療も幅広く行っています。
労災保険の手続きに関しても、労災病院は全ての手続きが可能なのが特徴です。
一般病院や診療所
出張先や工事現場など、労災事故が起きた場合は病院選びをしていられないことが多いでしょう。
ですから工事現場や自宅から近い病院へ行く場合がほとんどです。
- 厚生労働省調査 令和3年10月1日現在の医療施設数
-
厚生労働省の医療施設調査 、 施設数によると、令和3年10月1日現在の日本全国の医療施設総数は、182,800施設で、休止・1年以上休診中の施設を除く活動中の施設は180,396施設となっています。
令和2年と比べると、1,672施設増加しています。
病院と呼ばれるものは 8,205施設で、令和2年と比べ33施設減少しています。
一般診療所においては104,292施設で1,680施設増加。
歯科診療所は67,899施設で25施設増加。
病院を施設の種類で見てみると、精神科病院は1,053施設で、前年に比べ6施設減少。
一般病院は7,152施設で、27施設減少しています。
一般病院のうち、療養病床施設を持っている病院は3,515施設で、令和2年に比べて39施設減少。
一般診療所は一般病床数が6,169施設で、令和2年に比べ134施設減少。
このうち、療養病床を有する一般診療所は642施設で、前年に比べ57施設減少しています。
無床は98,123施設で、前年に比べ1,814施設増加しています。
療養病床と一般病床の違いは何ですか?
療養病床とは、主として長期にわたり療養(介護)や治療が必要な患者を入院させるための病床のことを表します。
入院期間の制限はありませんが、病院が療養病床と指定することはできません。
一般病床とは、病気の発見や診断、治療を行う病床です。
長期にわたる入院を前提としていません。
一般病床の期間としては、おおむね3カ月までが一般病床とされています。
病院と診療所の違いがわかりません。
医療法という法律によると、病院とは20床(入院のためのベット数)以上ある施設のことです。
診療所は、病床を持っていないか19床以下の病床があるものとしてます。
厳密に表すと、入院のためのベットを持っていない、あるいは19床以下の医療施設は、病院ではなく診療所と表します。
接骨院は入院ができないので病院や診療所ではないということですか?
接骨院と整形外科の違いは何でしょうか?
接骨院は病院や診療所ではありません。
接骨院で働く先生は、医師ではなく「柔道整復師」と言います。
医師は、医療行為である手術や薬の処方、投与が可能です。
柔道整復師は、医療行為をすることはできません。
ただし、厚生労働大臣免許である国家資格者で、公益財団法人日本柔道整復師会に所属し、日本独自の伝統医学を施術することができます。
整形外科は病院や診療所ですから、医師や看護師が在中し、医療行為(手術や薬の処方など)が可能です。
一般の病院や診療所の特徴
一般的な病院や診療所で業務災害時の診療を受けた場合は、おおむね100%立て替えが必要となります。つまり、業務災害時の診療代の費用負担が金額に関係なく、全額請求されます。
診察にかかる費用は、労災保険請求用の書類を病院へ提出し、病院側が証明を行い、労働基準監督署もしくは患者へ書類を送ります。
労災認定された時には、療養のための給付が労災保険から病院側に支払われます。
診療を受けた患者へは、立て替えた診療代が戻ってきます。
- 労災保険の取り扱いは患者が行う
- 労災保険に関する手続きは患者が行う
- 労働災害や職業病以外の診療も行っている
メリット
一般病院は全国で約7,000カ所あるため、緊急時に近くにある可能性が高く、速やかに診療してくれる可能性が高いと言えます。
- 工事現場や自宅近くで治療などの通院が可能
- 労働災害や職業病以外の診療でも多岐にわたり対応が可能
デメリット
一般的な病院は、労働災害には特化していません。
ですから、労災補償給付の手続きはすべて、患者本人が行わなければなりません。
また、診療代の建て替えも必要となります。
- 労災保険に関する専門知識が豊富な医師やスタッフはほとんどいない
- 全ての手続きを患者本人が整理しおこなう必要がある
自分に合った病院を選ぶためのポイント
以下の点を考慮して、自分に合った病院を選びましょう。
- 工事現場や自宅からの距離
- 専門性
- 医療設備
- 待ち時間
※口コミに関しては、個人の意見やその時の雰囲気、感情がどうしても加味され反映されてしまいます。
また、口コミ専門業者や複数のアカウントを所持し、、口コミへ投稿すれば、☆の数はいくらでも操作できてしまうようです。
口コミを全部信用するのではなく、参考程度にとどめておきましょう。
以下の場合は労災病院がおすすめです。
- 労働災害や職業病の専門的な治療を受けたい
- 診療に係る費用を準備していない
- 労災保険に関する手続きを病院内に任せたい
- 最新の医療設備で治療を受けたい
以下の場合は労災指定病院がおすすめです。
- 工事現場や出張先、自宅など近くで受診したい
- 労働災害や職業病以外の診療もまとめて行いたい
以下の場合は一般的な病院や診療所がおすすめです。
- 緊急性が高く、工事現場や出張先、自宅など近くで受診したい
- 診療に係る費用を準備していて立て替えも問題ない
- 労働災害や職業病以外の診療もまとめて行いたい
日本労災一人親方部会では、労災申請の書類作成を無料で代行しています。
申請書類は非常に煩雑で書くことも多いので、ケガや病気で苦しんでいる状態の時にきちんと書き上げるのは難しいもの。
ですから、ほとんどの労災保険取扱団体では、申請書類の作成を代行しています。
しかしながら、書類作成は有料としていることもあるため「働けないから労災保険の補償を受けるのに、お金を払わなくてはならない」という悪循環に陥ることも。
また、特別加入承認団体としては、申請手続きが多少遅れても損害は発生しません。
労災事故が発生したら、加入している団体や組合に、すみやかに労災事故報告を行いましょう。
西日本労災一人親方部会は、労災事故報告の連絡が入れば即座に対応しています。
専門家がスピーディに、しかも「無料」であなたをサポートします。
万が一に備えるなら、西日本労災一人親方部会で安心安全なサポートを受けましょう。
まとめ
自分に合った病院を選ぶためには、上記のポイントを参考に、それぞれのメリットとデメリットを理解することが重要です。
今回の記事が、兵庫にお住いの一人親方さまに最適な病院選びの参考になれば幸いです。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。