建設業界では、法令遵守がますます重要視される時代となりました。しかし、その中で「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」が建設業にも適用されると誤解されているケースが見受けられます。
結論からいえば、建設工事の請負契約には原則として下請法は適用されません。 この記事では、なぜ建設業に下請法が適用されないのか、そして実際に元請会社や一人親方が意識すべき法律について、わかりやすく解説します。
なぜ建設業には下請法が適用されないのか?
下請法は、製造業やIT業、デザイン業など「委託型の取引」において、親事業者(発注者)と下請事業者(受注者)の間の不公正な取引を防止する目的で制定されています。
一方で、建設業における工事契約は「請負契約」であり、下請法の適用対象である「委託契約」には該当しません。そのため、建設工事に関する元請・下請関係は下請法の適用外となっています。
建設業で重要なのは「建設業法」と「労働安全衛生法」
建設業において、元請会社と一人親方(または下請業者)との関係を適正に保つために重要なのは、以下の法令です。
建設業法
- 元請業者は、下請との契約内容を明文化し、適正に管理する義務があります(第19条など)。
- 発注者の立場での過剰な値引き、無理な納期設定なども建設業法で制限されています。
労働安全衛生法
- 元請には、現場で働くすべての作業者の安全を確保する義務(元方管理義務/第29条)があります。
- 一人親方であっても、現場に入場する以上は、元請が一定の安全配慮を求められるケースが増えています。
下請法ではなく、建設業法・安全衛生法を意識した管理が重要
元請企業が気をつけるべきは、「支払の遅延」や「不当な減額」といった行為が下請法ではなく建設業法・契約法上の問題となるということです。
また、工期の設定や代金の支払が適切でないと、
- 労働災害のリスク増加
- 一人親方の生活・安全に直接影響 などの問題につながる可能性があります。
一人親方が知っておくべきポイント
元請企業が気をつけるべきは、「支払の遅延」や「不当な減額」といった行為が下請法ではなく建設業法・契約法上の問題となるということです。
また、工期の設定や代金の支払が適切でないと、
- 労働災害のリスク増加
- 一人親方の生活・安全に直接影響 などの問題につながる可能性があります。
一人親方として知っておくべきこと
一人親方も下請法に関する知識を持ち、自身の権利を守ることが重要です。
- 契約書の確認: 契約書の内容を十分に確認し、不明な点があれば元請会社に確認する。
- 代金の請求: 代金が支払われない場合は、速やかに元請会社に請求する。
- 相談窓口の利用: 下請法違反の疑いがある場合は、公正取引委員会や中小企業庁の相談窓口に相談する。
まとめ:建設業では“別の法律”が重要
建設業における元請・下請関係では、「下請法」は原則として適用されません。代わりに、「建設業法」や「労働安全衛生法」が現場の安全性と公正な契約の鍵を握っています。
法令を正しく理解し、適切な対応を行うことで、元請・一人親方双方が安心して業務に取り組むことができます。

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大学卒業後、今は無きXEROXで営業力を発揮。コンテスト受賞歴は多数。
37歳の時人生観を変える大きな出来事に会い会社員を辞め起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。
各種業界経営者からのセミナー依頼を多数受け、講師として活躍。厚生労働省承認特別加入団体の運営を開始。
相談者に耳を傾けるため産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
–自己紹介–
人見知りという概念が欠落しているらしく、初対面でもすぐ仲良くなります。
相手の気持ちに入り込みすぎて疲れちゃうことも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく刻んであっても見つけられる得意技。
趣味は釣り全般・ギター・ガーデニング・料理・DIY・車・喫茶店回り、船の操船などなど。
多趣味すぎて時々自分でも困ることあり。
釣りに関しては遊漁船経営までしてしまったという変な人です。
座右の銘は「失敗は行動している証」
失敗した人を「ほら見たことか!」という人ほど何もしてないですよね。