障害(補償)給付
業務災害や通勤災害により療養していたが、その傷病が治癒(症状固定)した後に障害が残ってしまったときに支給される補償です。
支給月は毎年の2月・4月・6月・8月・10月・12月の6期で、支給月の前2ヵ月分が支払われます。
障害(補償)年金は、障害等級が1級から7級までに該当した時となります。
給付内容は、その障害の程度に応じて給付基礎日額の313日分から131日分の年金が支給されます。
障害(補償)一時金は、障害等級が8級から第14級までに該当した時となります。
給付内容は、その障害の程度に応じて給付基礎日額の503日分から56日分までの一時金が支給されます。
障害等級によって、年金か一時金かに分かれる仕組みになっています。
障害等級が第1級から第7級の場合は「障害(補償)年金」です
- 第1級 給付基礎の313日分
- 第2級 給付基礎の277日分
- 第3級 給付基礎の245日分
- 第4級 給付基礎の213日分
- 第5級 給付基礎の184日分
- 第6級 給付基礎の156日分
- 第7級 給付基礎の131日分
一例
給付基礎日額が3,500円型 障害等級第3級となった場合
2ヵ月に1回 約142,916円の支給
計算式
3,500円×245日=857,500円
857,500円÷12ヵ月=71,458円(1カ月当たりの金額)
71,458円×2ヵ月=142,916円(2ヵ月を1期分とする)
障害等級が第8級から第14級の場合は「障害(補償)一時金」です
- 第8級 給付基礎の503日分
- 第9級 給付基礎の391日分
- 第10級 給付基礎の302日分
- 第11級 給付基礎の223日分
- 第12級 給付基礎の156日分
- 第13級 給付基礎の101日分
- 第14級 給付基礎の 56日分
一例
給付基礎日額が3,500円型 障害等級第10級となった場合
一時金(1回のみ) 1,057,000円の支給
計算式
3,500円×302日=1,057,000円
傷害補償年金の特別支給金
(障害特別支給金)
障害の程度に応じ、342万円から8万円までの間で一時金が支払われます。
こちらは、日額給付には関係なく一律の補償給付となります。
- 第1級 342万円
- 第2級 320万円
- 第3級 300万円
- 第4級 264万円
- 第5級 225万円
- 第6級 192万円
- 第7級 159万円
- 第8級 65万円
- 第9級 50万円
- 第10級 39万円
- 第11級 29万円
- 第12級 20万円
- 第13級 14万円
- 第14級 8万円
傷害補償年金のまとめ
どこのホームページでも難しくてわかりづらいとの声をよく聞きます。確かに理解するのは難しいですね。何がもらえるのかよくわかりません。
簡潔にお話します。
障害等級は、医者の診断書を参考に「労働基準監督署長」が決定し、決定通知が手元に届きます。
その等級に不服があるときは、決定通知から60日以内に審査請求をします。
そして、年金支給と一時金支給とにわかれます。
年金として支給される方は
障害等級1級から7級に該当した一人親方です。
一時金として支給される方は
障害等級8級から14級に該当した一人親方です。
特別支給は障害認定された方全員で
障害等級1級から14級によって支給金額が変わります。
障害等級1級の通知決定がされた一人親方の場合
給付基礎日額3,500円型の場合
〇障害(補償)年金として支給
第1級ー313日分
313日×3,500円=1,095,500円(年間換算)
1,095,500円÷12カ月=91,292円(月換算)
91,292円×2ヵ月=182,583円(1期分換算)
〇障害特別支給金(一時金)
第1級ー342万円
計算すると
障害(補償)年金が2ヵ月に1回で約182,583円
+
障害特別支給金が一時金で342万円
年金としては、2ヵ月に1回約182,583円支給されます。
一時金として(一回のみ)342万円がさらに支給されます。
障害等級8級の通知決定がされた一人親方の場合
給付基礎日額3,500円型の場合
〇障害(補償)一時金として支給
第8級ー503日分
503日×3,500円=1,760,500円
〇障害特別支給金(一時金)
第8級ー65万円
計算すると
障害(補償)一時金が1回で約1,760,500円
+
障害特別支給金が一時金で65万円
一時金として(一回のみ)2,410,500円が支給されます。
障害(補償)給付のまとめ
障害(補償)給付は、治療をしても改善が見られない状態で、これ以上治療しても改善の見込みはない、もしくは治癒したが障害が残った状態の時に労災保険から給付されるものです。
万が一、障害が残ってしまい「仕事ができなくなったら」と考えると、やはり怖いですよね。ならないのが一番いいんです。未来がわかる方なんていませんから。
ですから、一人親方は保障が全く無いものと思っていろいろリスクヘッジをかけておきましょう。
一人親方の労災保険は、格安な保険料でここまで補償してくれる「社会保険制度」だという事です。
一人親方は必ず加入しておきましょうね。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。