一人親方のみなさん。労災保険に加入していますか?一人親方が現場で働くために必須となった一人親方の労災保険。よく耳にするのが、労災保険に加入していないと現場に入れられないと言われたと慌てて加入する方がいらっしゃいます。本当にそれだけの理由で加入していますか?
労災保険は現場で仕事をするためのパスポートのようなもの。
しかし、本当に加入すべき理由は他にもあるんです。

1.自分や家族を経済的に守るため

2.安心して治療や療養をするため

3.依頼主や元請けやお客様を守るため

一人親方や個人事業主は、会社員(被雇用者)と違って国の保障がとっても薄いんです。現場で事故が起きて、仕事ができない・・・その時に気づいても、あーしまった!入っておけばよかった・・・ではもう手遅れ。そんなことにならないように使えるものは使えるようにしておこう!

労災事故発生!一人親方はどうなる?

仕事現場でケガをしてしまった!
一人親方や個人事業主にはどのような未来が待っているのか。当たり前の事なんですが、ここにあげていきましょう。

ケガしたところが痛い

ふざけるなっ!と怒る方いたらすいません。でもこれ後々大きい事になる可能性があるんです。だって、ケガすりゃ痛いに決まってる。痛いのを我慢して仕事をする事ができれば良いんですけど、痛いんですから100%の能力で仕事なんで出来るわけが無いんです。そもそも「痛い」という感情は脳みそが「体に危険が及んでるから休め」と命令しているんですね。ペットを飼っていらっしゃる方はわかると思いますが、動物の本能で、体に変調をきたした時やケガをした時は、じーーーと休む。本当はこれが一番ですね。

とりあえず病院に行く

さあ、病院へ行きましょう!我慢しても意味が無いですよね。早く治療して仕事に復帰しないとお金が稼げないし経済的にも生活が苦しくなってきます。
まず、病院に行ったときに受付で「労働中のケガです」と伝えてください。後々労働中のケガだったというのが発覚すると大変なことになりますし、健康保険では「30%」は自分で負担になりますよ。労災保険は「自己負担0」です。ただし、国が言っている「社会保険適用内」である事です。個室に入りたい!これはダメ。あとは、テレビを見たり、先進医療や自由診療は自己負担ですね。このような診療を受ける際には説明をされますからわかると思います。
あっ!入院中の食費は、食べようが食べなかろうが、通常は1食460円。1日3食ですから、460円×3=1,380円/日となります。

大きい事故!手術と入院が待っていた

軽いケガだったらまだ良かった(良くないか!)
大けがだったらどうなるか。建設現場で膝の大けがをしてしまったとします。救急車で搬送され、検査の結果、入院と手術と治療が必要となったとします。
例えばですが、人口の膝の関節の置き換えが必要と診断されると・・・
手術名:人工膝関節置き換え術
入院日数平均:16日
手術費用:1,880,000円
それだけでは済まないですよね。
①初期入院費費用
②治療費用
③薬費用
④差額ベット費用
⑤食事代
etc・・・小さい事故ならまーいいか(ならないかもしれませんが)で済むかもしれませんが、ケガや病気(以下ケガに統一)によっては手術や入院が待っています。これも、労災保険に加入していないと100%自己負担って恐ろしいですね。健康保険証を病院に出しても受理してもらえませんし、万が一健康保険証を使ったとしても、労災事故なのがわかった時点で「労災保険」への切り替えが始まります。そこで加入していなかったら!!そうです。100%負担となり自分でお金を用立てなければならなくなります。ご注意下さい。30%との負担ではありません。国保ではありませんからね。

労災保険は全てカバーしてくれますよ。

高額療養制度は使えない

先にお伝えしますが、労働中のケガで病院へ入院して治療をしても、この社会保障制度の一つ「高額療養制度」は使えませんのでお気を付けくださいね。労災保険へ加入していない方は、100%自己負担になります。怖いですね。
では「高額療養制度」は何の時に使えるのか?
簡単に言うと、仕事中以外の日常生活でケガや病気になった時です。
どれだけお金がかかっても病院へ払う金額は年間所得によって、国が補償しますよっていう「国民健康保険」の制度です。
例えば、年間所得が210万円を超えて600万円以下の方は
・80,100+(医療費−267,000円)×1%
更に12カ月以内に3回以上制度を受けた方は、4回目からは44,400円だけです。
つまり、1ヵ月で300万円かかったとする。上の計算式にあてはめて計算すると
・80,100円+(3,000,000円-267,000円)×1%=107,430円/1ヵ月
となります。
この年間所得は確定申告で決まるわけですが、会社員(サラリーマン)と一人親方とではちょっと違うので、気を付けてくださいね。
もう一度言いますが、一人親方は労働中の事故での入院や手術、治療は一人親方の労災保険を使います。
仕事中のケガは「労災保険」しか使えません。「健康保険証」を出したら・・・法律違反なんです。びっくりですね。
つまりこういう事
仕事を原因とするケガや病気の治療 ⇒ 労災保険を使用しなさい
日常生活におけるケガや病気の治療 ⇒ 健康保険を使用しなさい
法律で決まっているんです。
再度申し上げますが
労災保険に入っていないと「100%自己負担」という恐ろしいことが起きてしますんです。
国保である「高額療養制度」は使えませんのでお気をつけください。

退院したはいいけれど

やっと病院を出られました!良かったとはいかないのが一人親方さん。そうです。自宅療養が待ってます。通院が待ってます。そのお金はどこから捻出するのか?貯蓄からですか?ローンですか?いつかは支払いしなければなりませんよね。そうなんです。退院後も治療や療養が待っていますから、やはりお金がかかります。
先ほど述べた通り、「国民健康保険」は使えないんです。
労災保険に加入していないと、全額負担というこれまた恐ろしい事実が待っています。
お金を相当稼いで、貯蓄もあるから大丈夫という方。
それは間違いではないかもしれませんが、そのお金を払うぐらいなら、加入料金を払っていた方が断然安く済みますけどね。
会社員の方は、労働保険は強制加入で会社が大体ですが折半で払ってくれます(労災保険と雇用保険)なので、傷病手当金をもらったり、障害年金をもらったり、休業補償がかなり手厚い。
一人親方や個人事業主は、そのような補償はありません。
労災保険に入っておけば、労働中のケガなどの時にどうしても療養が必要になった時には国が補償してくれますから、安心ですね。

おれは大丈夫はそろそろやめませんか?

今まで説明してきた通り、労災事故が起きたらとても大変なことが起きるんですね。そろそろ「自分だけは大丈夫だよ」っていう根拠のない自信を持つのはやめましょう。

労災事故が発生すると一人親方や個人事業主は大変なことになるんです。自分はケガも病気もしないと思っている方が非常に多い。これは、人間の心理だそうで心理学用語でいうと【正常性バイアス】と言うそうです。難しい話は置いといて・・・簡単に言うと「自分だけは大丈夫」「まだ大丈夫」「今回は大丈夫」というように、根拠は何も無いけど、自分にとって都合が悪いことは無視したり、情報を入れないようにしたり、情報の過小評価をしようとする人間の根本的心理だそうですね。

一人親方の労災保険加入に関して置き換えてみよう!
労災保険加入料金を払うのが嫌だから・面倒だから
●加入しなくても「自分だけは大丈夫だろう」
●加入しなくても「自分だけはバレないだろう」
●加入しなくても「自分だけはケガはしないだろう」
こんな感じです。

でもこれ、人間的に当たり前なんですよ(笑)誰だって未来に起こるかどうかわからないことに「お金」を払いたくないもんです。それに、過剰に不安になるのも良くないですからね。
でも、反対に置き換えて言うならば、将来が分かっていれば誰だってそのように行動しますよね(笑)

西日本労災一人親方部会でも、すでに労災事故は発生しています。報告していますのでご一読を。
労災事故報告はこちら
https://nisijp631.com/category/accident-report/

まとめ

いかがでしたか?
何でこんなに保障が薄いんだと感じた方がいらっしゃったと思います。
国は「労働者」に対しての保障はかなり厚いんです。一人親方や個人事業主、法人の社長は「非労働者」扱いです。つまり「働いてはいけない」んですね。不思議ですけどそういう事なんです。
でも実際は労働しています。ですから、特別に加入できる労災保険。正式名称は「特別加入制度 労働者災害補償保険」なんです。

最後に、一人親方が労災保険に加入すべき理由をまとめます。

自分や家族を経済的に守るため

労働中に起きたケガで仕事ができなくなると大変!!
労災保険は、休業給付の金額を決めて加入ができます。万が一、仕事ができない状態になっても国から給料みたいにもらえますから安心ですね。

安心して治療や療養をするため

入院費用や治療や薬代も、国が全額支払ってくれます。という事は、自己負担が0円。これ凄くないですか?一人親方は自分一人で頑張っているんだから、何かあった時もこれで安心ですね。

依頼主や元請けやお客様を守るため

一人親方の貴方が、労災保険に加入していないで事故を起こしたら、依頼主や元請けさま。強いてはお客様にも責任が回ってきます。(詳しくは別の章で説明)
そうそう、一人親方が仲間の一人親方へ仕事を頼んでも、この関係は必然的に出来ていますから責任が生じます。こんな難しい事、考えているよりも労災保険に加入しておけばいちいち気にすることもなく、仕事に集中できます。

西日本労災は、一人で頑張っている親方さまを応援しています