介護補償給付
業務災害または通勤災害により、障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受給している方のうち、一定の障害を有する方で、現に介護を受けている場合に給付されます。
ここで重要なのは、障害補償年金や傷病補償年金を受けている方が対象という事と、年金受給者とい事です。つまり、一時金の受給の方は対象外となりますのでご注意ください。
介護補償給付内容
介護の費用として支出した金額(上限金額があります)が支給されます。
親族等の介護を受けている方で、介護の費用を支出していない場合または支出した額が最低保障額を下回る場合に、一律にその最低保障額が支給されます。
上限額および最低保障額は「常時介護」と「随時介護」の場合で異なります。
常時介護が必要な状態の方は
最高限度額:165,150円
最低保障額:70,790円
随時介護が必要な状態の方は
最高限度額:82,580円
最低保障額:35,400円
となります。この支給金額は平成31年4月1日から改正され、増額されています。
常時介護と随時介護は何が違うのでしょう。
常時介護
■常時介護
- 精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、常時介護が必要な状態に該当する方(障害等級第1級、傷病等級第1級)
- 両目が失明するとともに、障害または傷病等級第1級・第2級の障害を有するとき
- 両上肢(肩から腕全体)よび両下肢(足の付け根から足全体)が亡失(無くなる事)または用廃(関節の可動域が腱側の可動域の2分の1)の状態にある方
用廃に関しては、非常に説明が難しいので、イメージとして「各関節の可動域が左右の動きを比較して通常の2分の1以下」と捉えておくとよいでしょう。
随時介護
■随時介護
- 精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、随時介護が必要な状態に該当する方(障害等級第1級、傷病等級第1級)
- 障害等級第1級または傷病等級1級に該当する方で、常時介護が必要な状態ではない方
どちらにせよ、常時介護と随時介護の判定は自分では難しいので、障害等級や傷病等級が1級で、かつ両腕や両足、両目を失明した場合には常時介護。常時介護まではいかない方が随時介護とイメージしておくとよいでしょう。
介護補償給付のまとめ
自分は介護を有しますと宣言しても、介護を要するものとして認定するにはいくつかの要件に適合しない限り認定はされません。
大きく分けて
- 障害補償年金の受給者で、障害等級1級・2級(2級は常時介護のみ)である
- 傷病補償年金の受給者で、傷病等級1級・2級(2級は常時介護のみ)である
以外は対象外となりますので、ここだけは捉えておきましょう。
最近ではこの介護補償が注目されてきています。一人親方の労災保険は「業務災害もしくは通勤災害」からおきる介護状態の補償ですので、一般の生活から起きる疾病による介護とは違うので混同しないようにしましょう。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。