傷病補償年金
業務災害や通勤災害による傷病が療養開始後1年6カ月を経過した日、または同日後において「傷病が治っていない事」「傷病による障害の程度が傷病等級に該当する事」のどちらにも該当した場合に支給される年金です。
業務災害や通勤災害の定義はすでに説明していますので、ここでは省きます。
業務災害等が発生し、療養(治療等)を開始した日が重要になります。そして、1年6カ月とは通常は「症状固定日」として用いられる経過日数ですね。
ここで重要な事は、「療養が開始された日」から1年6カ月という期間後に
- 傷病が治っていないこと
- 傷病による障害の程度が傷病等級に該当すること
この2つとも該当していないとこの「傷病補償年金」は支給されません。
傷害補償給付と障害補償給付と何が違うの?となりますよね。
障害補償給付についてはこちら
https://nisijp631.com/rousai-hosyou1
ご説明いたします。
障害補償給付は、療養開始後1年6か月経過後に「治療が終了し一定の障害が残ってしまった」場合に支給されます。
ここで重要なのは「治療が終了した」という事です。
傷病補償給付は、療養開始後1年6カ月経過後に「治療が終了せず症状が重篤な状態で障害も残った」場合に休業補償給付が傷病補償給付に切り替えられます。
休業補償給付についてはこちら
https://nisijp631.com/rousai-hosyou2
もっと簡単に言えば、1年6か月後に
療養(治療)が終了し、障害等級がある状態の場合は
〇障害補償給付
療養(治療)が終了せず療養が継続し、障害等級がある場合は
〇傷病補償給付
となります。
どちらにせよ、休業補償給付は終了となります。
傷病補償給付内容
先ほど述べたように、重篤な状態で治療継続となりますので、障害等級も絞られます。
- 障害等級1級 給付基礎日額の313日分
- 障害等級2級 給付基礎日額の277日分
- 障害等級3級 給付基礎日額の245日分
この障害等級1級から3級までの方のみ支給されます。
計算式の一例です。
※給付基礎日額:3,500円型の場合
※障害等級1級の場合
3,500円×313日=1,095,500円(年)
1,095,500円÷12ヵ月=91,292円(月)
91,292円×2ヵ月=182,583円(2ヵ月)
年金ですので、2ヵ月に1回、2ヵ月分が支給されます。
傷病特別支給金
傷病特別給付金は、給付基礎日額とな関係なく一時金の支給となります。
- 障害等級1級 給付基礎日額の114万円
- 障害等級2級 給付基礎日額の107万円
- 障害等級3級 給付基礎日額の100万円
一時金支給のため、一度の支給で終了となります。
傷病補償年金まとめ
障害補償給付と傷病補償年金は混同されやすいため、よく間違われます。また、休業補償給付が終了することも忘れがちですので、気を付けましょう。
まとめると
障害等級1級の場合には
年金が2ヵ月に1回で、約182,583円+特別支給金が一時金で114万円の支給となります。
傷病補償年金の給付と、傷病特別支給の給付と二重に支給されます。特別支援金は1回で終了です。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。