この特別加入の労災保険に加入できるのは、一人親方だけなんです。
ですから特別な権利と言えるでしょう。
たくさんの「補償給付」が一つの社会保障保険に詰まっています。
民間の保険だったらたくさんの保険に入らないとここまでの補償は受けられないでしょう。
反対に、たくさんの補償給付があるため、その仕組みはかなり複雑になってしまっているのも事実です。
では、一人親方の労災保険(労災保険の特別加入制度)の給付のお話をしていきましょう。
そもそも労災保険って何なの?
皆さんは、一人親方の労災保険と呼んでいますが本当の名称は長くて難しいんです。
特別加入制度の労働者災害補償保険
と言います。
反対から読んで
労働者災害補償保険の特別加入制度
とも言います。
そして、第一種特別加入から第三種特別加入まであります。
当団体が加入手続きや事務代行を行っているのは「第二種特別加入」です。
そもそも「労働者災害補償保険」とは何でしょう。
みなさんは総称で労働保険
と言いますが、本来は二つの社会保険制度を総称して労働保険というわけです。
〇労働者災害補償保険
〇雇用保険
この二種類を総称したものが、労働保険(総称名)と言います。
被雇用者、ここではわかりやすく会社員とさせていただきますが、会社員は「労働保険」に強制加入です。つまり、会社員になると自動的に「労働保険」へ加入しています。法律で「強制」されているので、強制加入なんですね。その保険料の支払い義務は誰でしょう。
雇用保険 → 会社と折半
労災保険 → 会社が全額負担
このように、雇用保険料は「会社と半分」労災保険は「会社が全額負担」となっています。会社員は、労災保険料は一切負担しなくていいという事です。
では、一人親方はどうでしょう。
労災保険は全額自己負担です。
また、雇用保険には加入できません。なぜなら、一人親方は「雇用されていない」からです。雇用されていないという事は、会社から「給与」としての労働対価をもらっていないという事です。
雇用保険は、会社を辞めてから次の仕事が見つかるまでの間の補償です。つまり、次の雇用先が見つかるまでの「日額給付」を受けたり、教育機関へ行って資格を取ったりするための補助金を受け取ることができます。
あくまでも「雇用されていた方」が加入できる政府の保険ですから、雇用されていない一人親方は加入することができないというわけです。
ではそもそも「労災保険とは何なのか」
これは、労働中の(労働を起因とするケガや病気)に対して様々な補償が受けられる大変お得な制度(政府保険)です。
繰り返しますが、仕事中(仕事を起因とする)のケガや病気です。仕事をしていることで起きた災害と「政府」が認めればすぐに補償がスタートします。
では、どんな補償があるのか?
様々な補償給付がありますので、補償給付の種類をわけて説明していきましょう。
一人親方の労災保険各種補償給付一覧
見たい補償給付制度をクリックしてください。
- 療養補償給付・療養給付はこちら
- 休業補償給付・休業給付はこちら
- 障害補償給付・障害給付はこちら
- 傷病補償年金・傷病年金はこちら
- 遺族補償給付・遺族給付はこちら
- 葬祭料・葬祭給付はこちら
- 介護補償給付・介護給付はこちら
まとめ
業務災害では、国民健康保険は使用できないため、労災保険に加入していないと治療にかかった費用が全額自己負担となります。仕事中に自分の身に何かあったとしたら大変なことになりますので、労災保険には加入しておきましょう。
代表理事
大学を卒業後、大手と呼ばれる企業で営業力を発揮。受賞歴は多数。実姉を亡くし人生を考え起業。IT、建設、金融、海事や伝統工芸など様々な事業を展開し経験を重ねる。各業界の経営者、特に士業業界からのセミナー依頼を多数受ける。厚生労働省の承認を得て、特別加入団体を運営。相談者に耳を傾けるため、産業カウンセラーの資格を得て労災関連全般の業務を執り行っている。
人見知りという概念が欠落していて、人との壁を作ることはしませんが、嘘か誠か相手の気持ちに入り込みすぎてバカを見ることも多々あり。
人の笑顔が大好物。嫌いなものは、なぜかシイタケ。細かく切ってもわかるのが得意技。
趣味は釣り・ギター・ガーデニング・DIY・ドライブ・操船etc…特に釣りに関しては遊漁船を経営してしまうほどの釣り好きです。
社会保険制度のうち、労災保険は労働に対しての手厚い補償内容です。
元請け企業や中小事業主、一人親方として働いている方が、業務災害から経済的に身を守る唯一の手段です。この社会保険制度をもっと認知していただければと活動しています。